■   「図書館女子」という言葉をご存知でしょうか。     中学・高校時代、クラスの中では静かでおとなしい感じで、   たいてい小柄で、黒髪で、メガネをかけてて、   毎日のように図書室や図書館へ行って、   自分の好きな作家の新刊をチェックし、   昼休みはもっぱら図書館のバーコードのついた単行本を開いている、   そういう類(たぐい)の女の子がひとりはいたと思うんです。   (これの男子バージョンを「図書館男子」とか「文学少年」なんて呼んでも構わないでしょう)     とにかく「子どもの頃から本が好き」というタイプには、   こういう子が多いようにぼくは思うわけです。   実際、「図書館女子」に分類されるような女の子に萌える男もいると聞きます。   どうやら結構人気のジャンルのようです。     しかし、 ぼくは  「文学少年/図書館女子って可哀想だな」  と常々思っていて、 かつ、これまでその理由をうまく説明できずにいました。    そこへ来て、先日ふと浮かんだのが次のツイート。     文学少年/図書館女子の弱点って、手に入れた本は3日以内(遅くとも一週間以内)に読み終えなければならないという強迫観念に駆られてることだと思う。 個人的には、10年後、あるいは死ぬまでに読み終えたらいいやっていう感覚で楽しむ読書もなかなか乙なもんだと思うんだけどなぁ。  — にらた (@pr_nirata) October 30, 2013    そうなのだ、彼/彼女たちが不幸に見えるのは、    手に入れた本は3日以内(遅くとも一週間以内)に読み終えなければならない    という強迫観念に駆られてるみたいだから、なのだ。  彼らにとって読書というのは、  一冊の本を、 最初から最後まで、どれくらいのスピードで読めるかという、  タイムアタックみたいになってしまってる。   けど、本当に読書ってそういうものなのでしょうか?  今日お話したいのはそのことについてです。   ■   本というものがほかのメディアに異なる点は  いろいろあるんだけど、  そのひとつとして「時間の伸縮性」というポイントがあると思います。   たとえば映画や音楽というのは、  見たり聞いたりしていれば、勝手に時間が進んでいく。  だから寝てたり聞き逃したりすると  「あれ? いつの間に終わってたの?」...