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そういう瞬間を待ちわびて。

人間の心には無数の扉があって、 ある扉は、しょっちゅう開かれたり閉じたりしているのに 別の扉は一生のうちごくわずかしか開かれない、 ということがあると思う。 そして、私はこの開かずの扉が 何らかのきっかけで開く時に生じる「コミュニケーション」こそ、 その人にとって、 真のコミュニケーション ではないかと思うのだ。 それは恐ろしい自己発見の瞬間であるかもしれないし、 あるいは深い喜びの爆発を伴う瞬間であるかもしれない。 いずれにしても、それはだれか、あるいは何物かに対して、 突然見えない橋が架かったというような驚きの瞬間であるだろう。 私たちは日常生活でおびただしいコミュニケーションの網目の中に生きながら、 実はそういう瞬間のために生きているのではなかろうか。 (大岡信『青き麦萌ゆ』より)

安かった。

『カフェラテの地、シアトルの象徴レーニア山愛され続ける雄大な美しい山に想いを込めた「マウントレーニア カフェラッテ」』 油臭いミルク エスプレッソ&ミルク ノンシュガー

【翻訳】村上春樹インタビュー

 I N T E R V I E W 「地獄に行きたいのか? おう、行ってこいよ!」 『ツァイト』誌 村上春樹とのインタビュー 聞き手=ウルリケ・ハーク ――はじめに3つ、短い質問を。まず、どこで暮らしたいですか?  ちょうど今は日本に住んでます。しばらくの間ですが。どれだけ長くなるかは分かりません。私にとっては、自分の国で過ごす時なので。多くの年月をアメリカやヨーロッパで過ごしましたしね。 ――現在、気に入っている歌は?  ほとんど芸術音楽しか熱心に聴かないですね。 ――好きな食べ物は?  野菜かもしれない。それから魚。そば、豆腐。肉は好きじゃありません。 ――あなたの小説『国境の南、太陽の西』はドイツで非常に議論を呼びました。その原因が英語から翻訳したことにあるのは明らかです。  こういう疑問を出されたことがあります。「ドイツには日本語からドイツ語へ直接翻訳できる人がいないのか?」と。ドイツというのはすごい国で、大変多くの知識人たちがいます。私の考えは誰にでも分かる簡素なものです。「日本語とドイツ語を読み書きできる人はいる」。そう思いませんか? ――同感です。『国境の南、太陽の西』が日本語からではなく、英語からドイツ語へ訳されたとお考えですか?  そうは考えていません。ですから、私は調べてみようとも思いませんでした。出版社に聞かれた時には、「日本の翻訳者だと思う」と言うでしょう。 ――ドイツではその後あなたの小説が官能小説として扱われていて、無作法な口調で愛の場面を描く、自由な考え方の作家と見なされています。しかし、原文の方では表現がそれほどハードというには程遠いです。  性的なものについて描写する時、私は非常に注意深く書き進めていきます。いちばん良い表現になるまで、いちばん良い言葉が見つかるまで、書いて書き直して新たに書くんです。私の作品は官能小説ではありません。希望を失って、深刻に何かを探している人たちの物語なんです。生を。それはまた非常に深刻な物語です、非常に悲しい物語なんです。時に人は自分の生から逃れることができない。それが私の物語りたいことです。主人公はふたりの女性を好きになります。彼は決断しなければなりません